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 読書余適 2011年4月1日           戸張 道也 「いかにして問題を解くか」柿内賢信訳。G。ポリア著 丸善(株) 半世紀愛される名著いまも 昭和29年初版昭和50年第11版平成20年11版第31刷 この本の帯より 「 今、社会人として、考えていることがすべて載っている。」 「 マイクロソフトでは、新人社員はこの本を必ず読む。」 「 大学1年生、の時に買い求め、一気に讀了、以来50年私の思考の原点。」 私も50年前、公認会計士第二次試験受験の時、この本を丸善書店で発見し、表紙裏に記載されている、リストを何度も読みました。先日、文教堂本店でこの本を発見し、三冊目として購入しました。友人柏木博物館館長柏木氏(東工大卒、スタンフォード大工学博士)もスタンフォード大学在学中、原著「How to Solve it」を何度も繰り返しよんだとのこと。書店は発見の場所。 表紙の裏側記載のリスト いかにして問題を解くか 第1に  問題を理解しなければならない。     問題を理解すること      ◇未知のものは何か。与えられているもの(データ)は              何 か。       条件はなにか。      ◇条件を満足させうるか。条件は未知のものを定めるの              に十分であるか。又は不十分であるか。又は余剰であ       るか 。又は矛盾しているか。      ◇図をかけ。適当な記号を導入せよ。      ◇条件の各部を分離せよ。それをかき表すことができる       か。 第2に  データと未知のものとの関連を見つけなければならない。  関連がすぐにわからなければ補助問題を考えなければならな   い。  そうして回答の計画をたてなければならない。    計画をたてること     ◇前にそれをみたことはないか 。又は前に問題を少しち       がっ形でみたことがあるか。           ◇似た問題を知っているか。役に立つ定理を知っている      か。     ◇未知のものをよくみよ! そうして未知のものが同じか又       はよく似ている、みなれた問題を思い起こせ。     ◇似た問題ですでにといたことのある問題がここにある。そ       れを使うことができないか。その結果を使うことができな       いか。       その方法を使うことができないか。それを利用するため       には何か補助要素を導入すべきではないか。     ◇問題をいいかえることことができるか。それをちがったい      い方することができないか。定義にかえれ。     ◇もしも与えられた問題がとけなかったならば、何かこれと      関連した問題をとこうとせよ。      もっとやさしくしてこれと似た問題は考えられないか。もっ      と一般的な問題は? もっと特殊な問題は? 類推的な      問題は?       問題の一部分をとくことができるか。条件の一部をのこ      し、他をすてよ。そうすればどの程度まで未知のものが定      まり、どの範囲で変わりうるか。データを役立たせうるか。      未知のものを定めるのに適当な他のデータを考えること      ができるか。未知のもの若しくはデータ、あるいは必要な      らば、その両方をかえることができるか。そうして新しい未      知のものと、新しいデータとが、もっと互いに近くなるよう      にできないか。     ◇データをすべてつかったか。条件のすべてをつかった      か、問題に含まれる本質的な概念はすべて考慮したか。 第3に   計画を実行せよ     計画を実行すること     ◇回答の計画を実行するときに、各段階を検討せよ。その      段階が正しいことをはっきりみとめられるか。 第4に   えられた答えを検討せよ     ふり返ってみること     ◇結果をためすことができるか。議論をためすことができる       か。     ◇結果をちがった仕方でみちびくことができるか。それを一      目のうちに捉えることができるか。     ◇他の問題にその結果や方法を応用することができるか。  訳者のことばより いままでわれわれに与えられた教育ははじめに一般的なものを授け、問題をそれにあてはめて処方どうりにとければよいという、いわゆる料理本的な傾向が強かった。ほんとうに学問を深め、それを活かすためには新しい心の創造がなによりもまず大切なことである。それにはどうすればよいかをこの本が鮮やかに示してくれている。 著者 G・Polyaのはしがきより 絶えず繰り返される疑問                        <この解法はうまくて間違いないように見えるけれども、どうしたらそれを思いつくことができるだろうか。この実験はうまく事実を示すように思われるが、どうしたらそれが発見できたであろうか。どうしたら私は自分でそれを思いついたり発見したりできるであろうか。>(発見学、発見的方法) この本は数学の教師と学生とを目標としてかかれたものであるが、新しいことを見つけ出すことに興味を持つ人達ならば誰にでも役に立つであろう。 第三部 教師でも学生でもなくて、ただ自分の目前にある問題を熱心に解こうとする人の立場に立って考えている。 発見学の小事典 逆向きにとくこと 問題 われわれが4リットルと9リットルの2つの桶しかもっていないとき、ちょうど6リットルの川の水をくむにはどうすればよいか (以下言葉で与えられたヒント)  (ヒント図をかけの部分は省略) 何が与えられているか 与えられた問題が解けなかったらまずそれの関連した問題を解こうとせよ。そのデータは役立たせうるか 前向きに解く 何が要求されているか 未知のものは何か 要求されているものから出発し、求めるものはすでに得られたと仮定せよ 望みの結果はどんな前提から、導かれるか 前の前提は何か みたことがあるか すでにわかっているものに到達 逆向きに解く 順序を逆向きにして、分析において最後に到達した点から出発する 逆に辿って求めるものに到達する  答 まず9リットルの桶一杯に川の水をいれる。    それを4リットルの桶に入れる    その4リットルの水を川に流して空にする    9リットルの桶には5リットルの水が入っている    その水を4リットルの桶に入れる    9リットルの桶には1リットルの水が残る    4リットルの桶の水を空にし、その4リットルの桶に9リットル    の桶にある1リットルの水を入れる    4リットルの桶には3リットルの水を入れる空間がある(前提)    その時の状態)    9リツトルの桶に水を入れる。(9)    9リットルの桶から4リツトルの桶に水をいれる(3リットル分    はいる)    9リツトルの桶に6リツトルの水が残る(9−3) 簿記の問題を解くのに、答えを先に読んでから、問題を読むことを繰り返したものですが(学習の時間が少ないという理由で)これも発見学の一方法? 逆向きに辿れ
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